韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」で知った、光州事件の真相

韓国

夕方の予定がなくなったので、梅田の映画館ブルク7で「タクシー運転手 約束は海を越えて」を見てきました。映画のネタバレはないのでご安心ください。




1980年5月

1980年5月。5歳の僕はタイムボカンシリーズ「オタスケマン」を見たり、ルービックキューブで遊んでいた時期ですが、同時期の韓国は軍事政権下で、学生によるデモ運動と政府との間で光州事件が勃発していました。まさにその瞬間を描いた映画です。

なぜ光州なのか

光州の場所はこちらです。

光州事件とは何か

光州事件 - Wikipedia

光州事件は、1980年5月18日から27日にかけて大韓民国(韓国)の全羅南道の道庁所在地であった光州市を中心として起きた民衆の蜂起。5月17日の全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕を契機に、5月18日にクーデタに抗議する学生デモが起きたが、戒厳軍の暴行が激しかったことに怒った市民も参加した。デモ参加者は約20万人にまで増え、木浦をはじめ全羅南道一帯に拡がり、市民軍は武器庫を襲うと銃撃戦の末に全羅南道道庁を占領したが、5月27日に大韓民国政府によって鎮圧された。

金大中は全羅南道の出身で、光州では人気があり、彼の逮捕が事件発生の大きな原因となっている。

5·18기념재단(5·18記念財団)のページがこちら。

http://518.org/main.php

こちらの映像資料のページを見ると当時の様子がよくわかります。映画を見てから見ることをオススメします。

http://518.org/sub.php?PID=0402

映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」

公式サイトはこちらです。

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』公式サイト
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』公式サイトです。2018年4月21日(土)シネマート新宿ほか全国ロードショー

ストーリー

ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

映画の半分ぐらいはタクシーの中

こちらはメイキング映像つきの動画です。

こちらは日本語字幕が入ったメイキング映像です。

気のいいタクシー運転手のおじさんが主人公です。演じるのはソン・ガンホさん。TBSラジオたまむすびで町山智浩さんが話しているのを聞いて見たくなったのですが、本当に良い作品でした。

このタクシー運転手の乗客となり、光州に向かったドイツ人ジャーナリストJürgen Hinzpeter(ユルゲン・ヒンツペーター)さんは実在の人物です。

ドイツ人ジャーナリストJürgen Hinzpeter(ユルゲン・ヒンツペーター)

Jürgen Hinzpeter – Wikipedia

グーグル翻訳さまの力を借りますと、

Hinzpeter filmte 1980 als einziger Journalist das Militärmassaker in Gwangju. Seine Aufnahmen gelangten über Umwege nach Deutschland und wurden weltweit gesendet.

1980年の光州事件を撮影したのは彼一人で、世界中のメディアに公開し、

Er hat den Demokratisierungsprozess in Südkorea gefördert.

韓国の民主化を促した、とあります。

その資料映像がこちら。

Schnappschuss: Deutscher Kameramann in Südkorea Volksheld | Weltspiegel
Jürgen Hinzpeter, in den 1980er Jahren im ARD-Studio Tokio als Kameramann beschäftigt, wird in in Südkorea sehr verehrt....

お名前で検索すると過去映像が出てきます。

こちらは韓国発の英語圏向けの番組ですかね。

こちらは韓国MBCのドキュメンタリー番組。

YouTube
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

こちらは全南日報。

こちらは1980年のNHK。

韓国・光州事件 戒厳軍が市民を鎮圧|ニュース|NHKアーカイブス
パク大統領殺害後の難局を乗り切った韓国では、2月末にキム・デジュン(金大中)氏らの公民権が回復され、民主化が進むかに見えた。しかし、軍の実権を掌握した チョン・ドゥファン(全斗煥)将軍は5月17日、韓国全土に戒厳令を布告、キム氏らを連行した...

これら過去映像の多くがJürgen Hinzpeterさんが命がけで撮影したもので、当時の韓国国内メディアでは、検閲がかかり、住民は真実を知らされていなかったようです。

In South Korea, an Unsung Hero of History Gets His Due (Published 2017)
A new film about the 1980 massacre in Gwangju has an unlikely protagonist: the taxi driver who made sure a foreign journ...
Journalist Hinzpeter gestorben
Er war mit 66 Jahren schon Pensionär, als ihm eine große Ehre zuteil wurde: 2003 wurde Jürgen Hinzpeter mit dem Song Kun...

386世代

この映画を見て、以前こちらの記事で書いた

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南千里のラコルタへ韓国ソンミサン・マウルのまちづくり先進事例を聞きに行きました。話し手はNPO日本希望製作所の桔川純子さんです。そのお話のメモを忘れないうちにまとめておこうと思います。

386世代が頭の中でつながりました。

映画鑑賞後の気になるニュース

光州事件とは 1980年5月、韓国の街は戦場だった【画像】
「5.18記念財団」によれば、認定された死者は154人、行方不明者70人、負傷者1628人に上る。
『タクシー運転手』キム・サボク氏の長男「本当の父の姿を知らせたい」
1980年光州を訪れた『タクシー運転手』キム・サボク氏 1975年からドイツ人記者ヒンツペーター氏と会い 咸錫憲、桂勳梯など在野の大家とも交流 「時代の痛みを知らせようとした父の努力を知らせたい」

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