「情報を求める人が存在する場所」の探し方

思考

キュレーションの時代-「つながり」の情報革命が始まる- を読みました。軽く数ページ読むつもりが、最初のプロローグを読んだだけで引き込まれ、結局最後まで一気に読みました。

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

本書によると、キュレーションとは、無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有することなんだそうです。

著者の佐々木俊尚さんはこのキュレーションという切り口を元に、わかりやすい歴史的なエピソードを使って情報時代の泳ぎ方のヒントを紹介してくれていて、情報を扱う仕事をされている方にオススメの良書です。

特にビオトープの話が印象的でした。P44-45あたりを引用してみます。

ソーシャルメディアのビオトープは固定化されない。あるときはtwitterの盛り上がりの中で突如として生成され、でもその盛り上がりが終わるのと同時にそのビオトープは消滅してしまい、次の瞬間にはどこかのblogのエントリーの中に現れ、そのblogを読んでいる人たちやブックマークしている人たちの間にビオトープが生成されているかもしれません。

ここで言うビオトープとは「情報を求める人が存在する場所」のことです。つねにビオトープはそのときどきに生まれては消え、消えては生まれ、流れに浮かぶうたかたのようなものと。その後の渋谷HMVの閉店につながるストーリーは頭の中で雑然としていたものが最適化されたような気分になりました。

いつもサロン文化大学で告知をするときにどこに向けて球を投げればいいのか、なんとなくでやってしまっていたのですが、毎回ジャンルごとにビオトープはどこにあるのか狙いを定め、その検証の記録をストックしていく必要があるなと思いました。

本書に出てくる音楽や映画などをまとめておられる方もいらっしゃいます。

追記:
ブクログに佐々木俊尚さんの「キュレーションの時代」特集もありました。 


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