発信側と受信側の間に情報の格差が大きい閉鎖的な世界で、情報の非対称性に挑む。

発信側と受信側の間に入って翻訳する人が必要な世界をいかに上手に見せるかで、市場が大きく変わります。

情報の非対称性が大きい世界とは?

情報の非対称性」とは経済学の用語から引っ張ってきています。

CUCマガジン:ニュースを読み解く「商経学部に聞いてみよう」 > トピック 2013年度 > 食品の偽装と情報の非対称性|千葉商科大学

例えば、お店にグレープフルーツが売ってあったとしましょう。このグレープフルーツ、一瞥しただけでは鮮度がいいのか、悪いのか、農薬の濃度、甘いのか酸っぱいのか分かりませんよね。でも、売り手は、グレープフルーツを仕入れているのですから、鮮度などを、買い手よりも熟知していることでしょう。このように、グレープフルーツという食材について、売り手と買い手とでは、知っている情報に差がある可能性があります。

情報の非対称性が起きやすい市場、起こりにくい市場

身近なスポーツの世界で情報の非対称性が起きやすい世界を解説します。

余談ですが、IT社長からJリーグ栃木SCのマーケティング戦略部長になったえとみほさんも、ご自身のnoteでこんなことを書いておられます。

栃木SCに入社して間もなく一週間になる。入社してすぐにホームゲームの準備、本番、それからJリーグの方々と一緒に岡山の視察と、休む間もなく私のゴールデンウィークが終わりを告げようとしている。 この業界に入ってたった一週間だが、いくつか気づいたことがある。そのうちの1つが「本当にこの業界の人はSNSやってないんだな」と...

もう1つ私がこの業界に入って思ったのは、業界内部と外部の情報の非対称性が激しいということだ。入って初めてわかることがあまりにも多く(ググっても出てこないような話が多く)、いかにプロスポーツ業界が限られた少数で構成された閉鎖空間であるかを実感できた。

クラブからの公式リリースだけでは、サポーターが本当に知りたいことは到底知ることができないのだ。また、メディアが伝えることはピッチ内に関わることがほとんどで、事業そのものや運営に関する情報はとても少ない。

これは文化芸術の世界でも同じことが言えます。

見ていればだいたいルールがわかるものは情報の非対称性が起こりにくい

サッカー、野球、相撲など、審判の判定を待たなくても見ているうちにだいたいわかってきますね。

解説がないと優劣がわからないものは情報の非対称性が起こりやすい

フィギュアスケート、ラグビー、アメフト、空手、など、審判の判定や専門家の解説がないとわかりにくいです。

そのため、テレビは実況する人と解説者をわけています。今起きていることのすごさを伝える際には、解説者が実況することでその世界の奥行きを伝えています。

発信側と受信側の間に入って翻訳する人が必要な世界をいかに上手に見せるかで、市場が大きく変わります。

文化芸術の分野など、情報の非対称性が起きやすい世界のなので、大阪アーツカウンシルのインタビューやトークの場でも似たような話がよく出てきます。

シンポジウム「人を魅了するプロデュースとは何か?」 | 大阪アーツカウンシル
お客さん側がその表現のすごさをわかる状態がすごく大事です。演劇の世界で見巧者(みごうしゃ)という言葉があります。見巧者が客席に集まっていれば舞台上のすごさを読み取れます。この状態になると物事が広がりやすいです。漫才に関して言えば「今の話のオチは?」と普通の人が言うぐらいリララシーが高いですね。

舞台の上で起こっている演者たちの世界と、それを見るお客さんがどれぐらいついてきているかを見定めて調整する、翻訳する役目の人(プロデュースやディレクションする人)がいないと、その分野の市場がどんどん狭くなります。

だからテレビなどでは翻訳できる人や翻訳できる番組が重宝されます。

テレビで翻訳する人

池上彰さん、林修先生など、テレビ番組では引っ張りだこです。

わかりづらい情報を翻訳して見せているテレビ番組

報道ステーション

ブラタモリ

翻訳しないと狭まる世界

閉鎖的な世界の外側にいる人に耳を傾けたい。

翻訳することで新しいファンを獲得し、楽しみ方を伝える。

世界が狭くなりがちな分野では、パブリックリレーションに力を入れることが必須です。

相撲の世界を立体的に伝える、日本相撲協会のアカウント

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世界が狭くなりがちな分野では、翻訳に力を入れることが必須です。日本相撲協会のTwitterアカウントは土俵以外の力士の姿を見せることでファン層を増やそうとされています。

ビジュアルでわかりやすく伝える

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いずみホール主催のアートマネジメント講座で講師をさせていただきます。今回のテーマは「ファンづくりのイロハ」。7/22にお話しする資料をこちらにまとめています。
今年もいずみホール主催のアートマネジメント講座で講師をさせていただきます。今回のテーマは「ファンづくりのイロハ」。7/22にお話しする資料をこちらにまとめていきます。
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