インバウンドが戻ってきた

 「自分はもう英語を話せないのではないか」とか「日本人ゲストだけで持続的に営業できるんだったらそれでいいのでは」とか、そんなことも思った2年半だったけれど、やはり開国の日はやってきて、開国を待ち望んでいた人たちも多く居て。そんな人たちが訪ねてくれる日々はとても楽しい。

スタッフ採用時に英語力は必須ではない

 1998年に冬季五輪を開催していたり、また地獄谷で温泉につかる日本猿やスノーリゾートなどもあり、NAGANOは海外でも有名な地名。1166バックパカーズの場合も例外ではなく、コロナ前までは全体の40%くらいは海外からのゲストで成り立っていた。日常業務で英語を話さない日はほとんどない。国別としてはドイツ、オランダ、スイス、などのヨーロッパ諸国やアメリカカナダ、オセアニアからのゲストが多い。
 それでも、スタッフの採用条件に「英語」というのは入れていない。それは英語がペラペラである必要性は感じていないから。ずいぶん昔にグアムに行ったことがあるんだけれど、久々の海外にテンションが上がっていた私にとっても同行者にとっても、全て日本語で成り立ってしまうその”海外旅行”は不完全燃焼そのものだった。
 てことで、スタッフは英語を話せなくとも、旅のお手伝いがしたいという気持ちが大事。その気持ちを持っているか否かの方がよっぽど重要。

英語話せないスタッフが新たな世界を見ている気がする

 ということで、1166バックパッカーズで働くスタッフは英語を話せないひともいる。話さないのではなく、話せないのだ。でも前述の通り、旅のお手伝いはしたい。
 現役スタッフのドイちゃんの前職は保育士。仕事で英語は使っていないが、言語を習得する前の子供たちと日々接していたからか、言語を使わずともコミュニケーションをとっている(ように思う)。要所要所に簡単な日本語や英語の単語を交えつつ、身振り手振りと笑顔で海外勢とコミュニケーションをとっているドイちゃんを見ていると、すごいなと思う。
 そういえば、開業すぐのころから長く働いてくれていたメガネ男子だって初めの頃こそ「織絵さん、ぼくひとりの日は海外からの予約取らないでください…」なんて言うていたけれど、気がつけば得意の切り絵やギター、似顔絵なんかを使って意思疎通して、いつも海外勢に囲まれていた。
 そんな感じでそれぞれのツールでコミュニケーションをとっているスタッフたちをみていると、英語を話す以上によいコミュニケーションをしているように感じるときさえある。
 そしてそんなスタッフたちは、「英語を話せたらもっとコミュニケーション取れるのになぁ」という気持ちになるようで、そうなれば英語習得のスピードは加速する。

こんなひとたちが泊まっています

 外から見ているとどんな人たちが泊まっているのかわからないと思うので、この数日で泊まっているゲストのなかで紹介してみたい。
 ドイツ人で半年間日本に留学している男性は、日本食が好きらしい。ドイツでもアジア食材のお店に行っては調味料を購入して日本食を作っていた。どんなものを作っていたの?と聞いて一番始めに出てきたのが「味噌ラーメン」だったのがちょっとかわいいな、と思いつつ。そのほかにも丼はいろいろと作ってみたそう。長野のお蕎麦は食べた?と聞くと、 “とろろ” が好きだそうで注文してみたけれど「生卵は難しいですね…」と。今日は囲炉裏で焼いたおやきに挑戦しているはず。
 兄弟で旅をしていたドイツ人くんたちは4泊。ちょうど同じ日に泊まっていた日本人のリピータさんが地獄谷野猿公苑まで車で送ってくれることに。帰ってきてからは他のゲストに誘われて一緒に鍋を。連泊なので次の日はパスタを自炊したり、お蕎麦を塩で食べてみたり。ビーガンなので食事は難しいこともあるが、適度に緩めたり工夫をしながら旅を楽しんでいる様子。 

ある日の1枚 / コロナ前の日常の景色はやっぱり戻ってきた

日本人の皆さんが優しく海外勢を受け入れてくれて、海外勢の皆さんも日本人とのコミュニケーションを楽しみに来日されていて。そういう両者が出会える場所であることが、とてもありがたい。そんなことをひしひしと感じるこのころです。

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