「いーれーてー」が言えない

 5歳の子供と一緒に夕方の公園に行った。ふわふわドームという、トランポリンみたいなもので遊ぼうとすると、女の子たちの先客が数名。そこに我が子も混ざる。端のほうで様子をみていると、同い年くらいの女の子たちはもともと友だちの子もいそうだが、公園で初めて会って一緒に遊びだしたような雰囲気の子も。トランポリンで鬼ごっこをしたり、一緒に手を繋いでぴょんぴょんしたり。我が子に目をやると、遊んでいる女の子たちをちょっと羨ましそうにみながら、「○○ちゃん(友だち)とか来ないかな〜」と。

 そう言えば、私もそうだった。大人になってからはなおさらだけれども、子供の時を思い出すと、知らない子たちの輪に入れなかった。「いーれーてー」とあっさり言える子や「友達になろう!」となんの戸惑いもなく言える他の子たちが不思議だったし、羨ましく思っていた。

 でも、よく考えると、その「いーれーてー」と言えない自分にとって、ゲストハウスのホストという仕事は向いているように感じる。「いーれーてー」を言いたいのに言えないでいる子・大人を発見する力が備わっている。そういう人がホストになると、自然に、さっと人と人を繋ぐことができるのかもしれない。

 現に我が子は、仲の良い保育園のAちゃんと、保育園は違う近所のBちゃんと両方に公園であったときに、当たり前のようにAちゃんとBちゃんをそれぞれに紹介して、一緒に遊んでいた。それを目の当たりにしたとき、けっこう驚いた。

 子供には 「 “いーれーてー” が言えない子は、察する力があるのかもしれないよ」というと、理解したかどうかはわからないけれど、ちょっと得意そうな顔をしていた。

 

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