1166バックパッカーズは2010年の開業当初、相部屋は2600円でスタートした。そして12年後の今、3500円。つまり900円の値上がり。この時代に相部屋で3500円というのが高いのか安いのか、お泊まりになられる方の立場で考えるとちょっとわからなくなるのだけれど、今日は経営者目線で書いてみたい。
消費税と各種手数料
3500円支払っていただいても、それがまるっと宿に入る訳ではない。
<消費税>
3500円というのは税込金額。318円ほどの消費税が含まれている。つまり、税別は3182円といったところ。
<決済手数料>
paypayで決済すると決済手数料が2%ほどかかるので75円、クレジットカードであれば決済手数料が3.24%なので113円引かれる。
<予約サイトの手数料>
ブッキングドットコムを代表する予約サイトは予約ごとに12%。基本料金はかからない。3500円の宿泊費であれば、420円が手数料としてブッキングドットコムに支払われる。
ドミをブッキングドットコムで予約し、カードで決済したら
3500円のドミトリーをブッキングドットコムで予約して、現地でクレジットカードで払うと、
消費税:318円
OTA手数料:420円
クレジットカード手数料:113円
が引かれるわけなので、実際に宿に入る金額は2650円程度。当たり前のことだけれど、その積み上がった金額から、家賃や水光熱費、サイトコントローラーやPMSの利用料金、人件費、消耗品費、通信費、リネン代、などが支払われてゆく(上の計算はあくまで一例。1166バックパッカーズではブッキングドットコムは手数料を加味して直接予約より高く4000円で出していたり、現地での決済はpaypayにとどまり、クレジットカード決済は現状は受け付けていない)。
それでもまぁギリギリのところでボチボチやっている。このコロナ禍でも宿を閉業することなく、結んだ雇用契約の内容で(つまり法に則った形で)少ないながらにスタッフに給料を払っているし、預金残高も目減りはさせていない。それだけでも自分で自分を褒めてあげたい。
ただ最近の悩みどころとしては、コロナ禍に入りチェックイン時に案内することが多岐にわたっているため、現場スタッフのルーティンの部分が増えてしまっているということ。
チェックイン時の流れ
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手洗いうがいのお願い
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お茶をお出しする
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検温
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渡航歴の有無確認や健康観察
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チェックインシートの記入
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館内ルールのご案内
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支払い
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県民割の説明、利用書の記入
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観光クーポンの日付記入、使い方説明
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ミールクーポンや館内利用券の説明
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観光案内
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部屋案内
これだけのことを、ゲスト一人ひとりに案内したり、やっていただくことになる。多い時で14人のゲストに。もちろんそのやりとりのなかで、ゲストの趣味趣向を知ることができたり、コミュニケーションをはかる時間にはなるのだけれど、省けるところは省く方が、落ち着いて楽しい会話に集中できる。
省けそうな業務
・チェックインシートの記入
→ 事前にグーグルフォームなどをお送りして記入したものを送っていただき代用できそう
・館内のルール説明
→ こちらも事前に自動送信で大事な箇所だけお送りできそう
・支払い
→ 全て事前決済としたいが、カードやQR決済を日常的にされない方も少なからずいらっしゃるので、現地決済のオプションにクレジットカードを加えるか…(前述の通り、手数料がネック。ただ現金のやりとり、銀行への預け入れ、両替などいろいろ簡略化が詰まっている箇所)。
この辺りを今考えている。大事なことなのでもう一度言うが、省けるところを省きたい理由は、ゆっくりゲストとお話しをしたり、地域を案内したり、コミュニケーションを大事にしたい、ということ。ひとりでも多くの方に、「また来たい」と思っていただけるように。
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