時間稼ぎができない
今年、宿の求人を出したときに、ヘルパーへのリアクションがとても速かった。タイミング的に卒業間近の大学生が多い。「在学中に思うように行動できなかったから、最後に何か…」と。
もし自分が今の時代に大学を卒業だったら、と思うとちょっと怖くなった。というのも、自分は大学卒業しても就職活動をせず「とりあえず」海外に行った。幸い、3年間の海外生活で、国籍を超え同世代の友に出会い、山や自然を近くに感じ、働くことのイロハを学び、同僚にも恵まれ、自炊の楽しさを知り、人間関係のごちゃごちゃを体験し、理不尽な怒られ方をし、ただダラダラと海岸線を歩き、ひとり旅の孤独や温かい宿の存在を知った。海外に行くまでは何者でもなかったし何の目的も持たずに、言わば就職から逃げるように出たけれど、結果、海外で過ごした3年によって、今の自分がある。
「現状を見渡せば自分のできることや、自分の熱量が誰かの役にたつであろうことは近くにもあるはずだ」、というような意見もあった。ごもっともである。近くにいろんなニーズは転がっているかもしれない。しかしながら、外に出てみたいという欲があるのであればそれを止めることはないし、外に出たからこそ見つけられる内の良さもある。加えて、20代の心はもっと行ったり来たりのなかにある。自分が何をやりたいのか、自分はどう生きてゆきたいのかが、わからない。大人に対して胸を張って何かができるとは言えないし、かと言って現状で満足しているわけでもない。そういう、一言では言い表せられない感情を持っているときに、海外へのひとり旅は(孤独ではあるが)焦りから逃れられ、良い時間稼ぎになる。
そうは言ってもコロナに戦争。海外へと出られない理由が続く。それであれば、彼らはどういう時間稼ぎができるのか。(求められているかはわからないけれど)自分はそこに関わりたいな、と思った。
まず必要なのは、住処と所属かな、と。仕事があり安定した収入が見込めるのであれば自分でアパートでも借りたらいいけれど、そうでない場合はまず転がり込める住処がほしい。そして住処だけあっても、行き場がなければ意味がないので、所属( = 居場所)もほしい。宿屋としては「どうぞ無料で転がり込んで〜」とは言えないしなぁ…。
(いつか続き書きます)
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