ヘルパーちゃんが五方よし

 ぶっちゃけ、小さなゲストハウス、つまりベッド数が取れないゲストハウスでは少しの売り上げのなかから固定給として人件費を捻出するのはかなりの苦労だ。ゆえにゲストハウス特有の雇用形態として、ヘルパー(つまり寝床を提供する代わりに数時間無給で働いてもらう)制度があり、そのシステムを使っているゲストハウスは多い。チェックインや清掃スタッフとして働き、夜はゲストと一緒にテーブルを囲む。楽しそう〜と思いつつも、一方で給料は発生していないし、同じ仕事内容でアルバイトは時給もらったり…なんて考えると、ヘルパーってなんだか労働力の搾取にも思える…。そんなこんなで、私の心のなかでは人件費を抑えたい気持ちと労働力を搾取したくない気持ちのせめぎ合い…。せめぎ合いの結果、1166バックパッカーズでは、基本的には時給で働いてもらう「アルバイト」契約が主となった。

 ところが昨年、そうコロナ禍の真っ只中にヘルパーとして詩乃さんを迎えることになった。詳細は以前に書いたので割愛するが、その時に感じたのは、「ヘルパーという制度は “三方よし” どころか “五方よし” なのでは…ということ。”五方” というのは、ヘルパーとして働く人、受け入れ側のスタッフ、宿泊ゲスト、近隣住民、そして私。

https://orie1166.goat.me/CBCfa2pJ60

詩乃さんの話はこちらからどうぞ

 うっすらそんなことを感じていたので、今年もヘルパー募集をしてみたところ、まず神奈川からひとりの大学生が来てくれた。彼女は長野市のプログラムで少し前にも1166バックパッカーズに2週間ほど滞在してくれていたので、うちのスタッフ含めてすでに顔見知り。

 引き続きコロナ禍中でゲストは少ないので通常業務は手伝ってもらうほどの仕事量なし。どうしようかしらと思っていたところ、ヘルパーちゃんは現スタッフと一緒にイベントの企画・運営をしてくれることに。ヘルパー期間が始まる前からZoomなどを使って(良い時代!)

  • フィルム写真展

  • ギターのライブ

  • 焼き菓子の販売

  • をすることが決まったと(基本的に私は打ち合わせには参加せずに、ときどき進捗を報告してもらう)。

ヘルパー期間が始まってからも引き続きふたりは会議。そして、イベント当日を迎える。ほぼ企画にも打ち合わせにも絡んでいなかったので、どうなるかな〜と思っていましたが、蓋を開けたら大盛況。

<五方よし>

  • 言われた仕事をこなすだけでなく自分ごととして取り組めた。赤字にならなかった。(現役スタッフ)

  • 短期滞在のなかでひとつの企画を成功させた達成感。繋がりが作れ土地への愛着が生まれた(ヘルパースタッフ)

  • 滞在中にイベントがあり、たくさんの出会いがあった(宿泊ゲスト)

  • タイミングを逸していたが来館するきっかけになった(近隣住民)

  • 来館者、焼き菓子を卸してくださった方など、新たな繋がりが生まれた。赤字にならなかった(宿主)

*あくまでも飯室の推察ですが…

ということで、明日にはまた別のヘルパーちゃんが来館します。別の現役スタッフが、こちらのヘルパーちゃんともすでに水面下でやりとりをしている模様。楽しい時間となりますように。

1166バックパッカーズ 長野県 長野市 善光寺門前 ゲストハウス | 長野 1166バックパッカーズ
男女混合相部屋、女性専用相部屋、個室の3タイプのお部屋があります。学生さんの初めてのひとり旅、社会人のかたの初めてのゲストハウス、休職中やお仕事の休日を利用した予定のない旅行、フリーランスのかたのワーケーション、そのほかにも登山、町歩き、移住、宿開業...そんな方々が集まってくださる宿です。「夜中通して飲むぞ!」という...

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