旅先で熱が出た

 全国的に「全国旅行支援」などを展開して ”業種別に定められている新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを遵守する” ことを前提に、旅行に行こうぜ〜!という雰囲気があります。

 我々宿泊施設としても、「検温」「手洗いうがいの促し」「アルコール消毒」「換気」「近距離時のマスク着用」などやりながら、こんなご時世のなかで旅行にきてくださる方に感謝しながら営業をしております。

 このコロナ禍に旅行するにはある程度のリスクがある。でもそのリスクをできるだけ小さくしつつ、旅行という形で経済を回しましょう、ということだと私は理解しています。

信州割(長野県の全国宿泊支援)の公式サイト内より

旅先で熱がでたら?

 国も、県も、市も、我々宿泊施設も、そういう前提の元に「旅をしてくれ〜」と言っているわけです。だからいざ旅人に体調不良があった際、「熱出たあんたが悪いんでしょ」ではダメなんです。当たり前です。お互いにそのリスクを分かった上なはずですから。

 さて、先日のことですが、宿泊者のおひとりが微熱を出されました。用意がよく、ご自身で体温計も解熱剤も持参されていました。かつ、迅速に「寒気がします」「熱でました」と報告くださって。(ワクチンこそ接種されていませんでしたが、きちんと陰性証明を持っての宿泊でした)。幸い、お部屋におひとりだけでしたのでそのまま客室に居ていただいた上で、我々はSNSのDMや電話を使って遠隔で対応。氷枕や暖かいお茶などは届けます。

相談窓口に電話する

 まずはコロナが陽性か陰性かを確認する必要があります。入口になるのは長野市の相談窓口。症状など細かく聞かれることもあるので本人に頑張って電話をかけてもらいます。

少し待ちはしましたが、ストレスなくつながりました。

 本人が電話で言われた選択肢、それが後追いでDMで私に届きました。

  1. コロナ陽性の場合、宿泊施設手配が必要らしく、それまで待機になるそうです。 → 待機可能でしょうか。

  2. もしくは、このまま、検査せず、地元に帰宅するかのどちらかになるそうです。

 熱出している方をおひとりで公共の交通機関で帰すというのは非現実的なので、自動的に1を選択するわけですが、その場合、1166バックパッカーズとして知りたいのは “何日間、1166bpで待機になるか” ということ。陽性が分かったわけでもないでが、可能性を考えるとどちらにせよ相部屋としては使えません。基本的には発熱している方には客室内で過ごしていただくことになりますが、それでもトイレや手洗いもわけることになります。もし陽性となった場合には他の予約者に伝え他宿を案内することもありますし、濃厚接触者にも連絡が必要。

 営業に影響がでるのはある程度は仕方がないのですが、待機日数が見えないことには、何日後の予約にまで影響が出るかがわかりません(ちなみに、予約者を他宿にふる場合、自動的に売上を落としてしまいます。そのリスクはうちの場合は宿が持っています)。

 と言うことで、飯室からも同相談センターに電話し、状況説明の後、長野市の宿泊療養施設の空き状況や移るまでの待機日数など確認しようとしたところ、

 「相談センターではそこまでわかりかねますので、長野市保健所健康課にかけてみてください」

 なるほど。忙しいなか、ありがとうございます。ということで、言われた番号に電話し、再度状況を説明し、宿泊療養施設の空き状況や移るまでの待機日数を確認したい旨を。

長野市保健所に電話してみた

「宿泊療養施設は長野県の管轄です。待機に何日かかるかは陽性が確定してから本人がエントリーしてみないととわかりません。県の窓口の電話番号は教えられません。そちらの宿で待機させられないのであれば、熱がてていようと(検査させずに)公共の交通機関でもなんでも使って、地元に帰してください。」

 おー!なんと冷たい対応!ただ、電話窓口の方が冷たい対応であったことは間違いないんですが、そういうガイドラインを作っている長野市の保健所に問題があるというか、そもそも長野市の保健所の方がひっぱく(していると勝手に想像しますが)するような体制になっているのがおかしいんでしょうね…。

県の番号にかけてみた

 軽い気持ちで、県の窓口の番号わかりますか?って聞いただけなのに、「教えられません!」と何度も言われてしまったので、しゅん…と落ち込みながら検索してみたところサクっと健康福祉部感染症対策課の番号が出てきました。かけて、これまでの状況を説明したところ、ここで初めて

「ふむふむ、今の長野市の宿泊療養施設の空き状況はですね…」

 と具体的な数字や、かかると思われる待機時間を教えていただき、そう、それが聞きたかったの〜!! 最後に「でも、ここからのやりとりは保健所マターになりますから、そっちの流れでやってくださいね」と優しく念を押されました。もちろんです!

弱っているとき、困っているときに頼れる先が必要

 熱を出されているゲストには予約の上、指定された病院で検査を受けてもらうことになりました。

 もちろんできる限りの感染予防をするのは前提として、正直、誰がなってもおかしくない。罹ってしまったら「自分でなんとかしなさい」ってのはあかんと思うんです。特に「みんな旅して経済まわして〜」ってキャンペーンもしているわけだし。

 他のお宿でも同じようなことが起こっていると思います。宿のひとたちって基本的に(たぶん)、想定外の熱が出た場合でもゲストには安心して泊まってほしいという気持ちのもと営業しているので、発熱した場合など頼って良いと思います。そして、ぜひ、そんな宿屋が頼れる場所として、市や県の窓口が機能してゆくことを切に願います。

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