あなたのテンポ、わたしのテンポ

 午前中の宿は掃除時間。行き場を失い、近所のカフェで仕事をさせてもらうことが多々ある。(全国というか世界的に展開しているあの有名な店で、時々申し訳なさから軽食こそ注文すれどコーヒー一杯で長居する私を笑顔で迎えて、「ごゆっくりどうぞ」という言葉をかけてくれる店員さんたちには感謝しかない(本心でないことも承知しているので、あまり長居しないようには心がけている)。

 注文するときに一言二言の日常会話、例えば「雨ですね」や「寒いですね」なんかを交わす店員さんもいれば、今日みたいにスピードで攻めてくる人もいる(ちなみに今日は雨で、2階席はほぼ貸切状態。久々にきたお客さんに対して、おそらくサービス的にスピード感を出してくれたんだと思う。それはありがとう)。玄関で濡れた傘を袋に入れたりでもたついたからか、私がカウンターに到着するときにはマグは温められてショートサイズのドリップコーヒーがそそがれようとしていた。

 あぁ、そうです。いつも私はショートドリップをマグで飲みますよ、よく覚えてくださいまして…と何も言葉を発さずに、店員さんの流れ作業に乗る。いやまて、今日はこのあとミーティングがあるので、今のうちにシナモンロールをお腹に入れようとしているのだ、これを言ってやろう!と思うと同時くらいに、「お召し上がり物どうされますか」と聞かれ、シ、シナモンロールを…と小さな声で答える。

 店員さんは私に決済方法を喋らすこともさせてくれず、相変わらずの流れるような動きのなかで「ランプ光りましたらカードをどうぞ」と言われ、よしこっちもその速い流れに乗ってやるぜ!と思ってカードを挿したら早すぎてエラー。くっそー。

 そんなことがあった直後、これをそのカフェの2階で書いています。

 言いたいことは、大きな枠組として、場をホールドしているのは店の人だと思うんです。店の(人の)ルールの上で、我々お客はその場を使わせてもらう。一方で、店側は、その大きなプールのような枠のなかで客を自由に泳がせてあげたほうがいいと思うんです。そもそもそのルールを客が理解しているなんて思っちゃいけない。お客がどういう流れで今ここにいるのか、お客のペースはどんなものか。それを探るためにコミュニケーションというものが存在する。まぁ、業態やシチュエーションによって異なって、できないときはあるとは思えど、意識はした方がいいよな、って。(って言いながら、いつも使わせてくださってありがとうございます。感謝の塊を投げたい気持ちの方が大きいです)。

長野 1166バックパッカーズ | 長野県長野市のゲストハウス
長野県長野市国宝善光寺さんから徒歩5分、築90余年の元クリーニング店を改装したゲストハウスです。周囲は江戸時代

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