新刊「アソブロックとはなんだったのか」を考える

アソブロックとは何だったのか 思考

本書「アソブロックとは何だったのか 〜会社という仕組みを使った社会実験のキロク〜」(ホンブロック)はアソブロックという会社を20年経営してきた団遊さんが社長を退任し、20年間の社員に寄稿してもらうという構造になっています。そのあたりのイントロ部分は団さんのnote「「アソブロックとは何だったのか?」発刊前夜」で詳しく読めます。

アソブロックとは何だったのかを読んで、ギルド型組織とNPOとweb3のまわりで語られる自律分散型組織DAOの中間ぐらいの組織の仕組みを2007年ごろから実験してこられたんだなと感じました。

こちらの記事「「社員は会社のためではなく、自分のために生きてほしい」アソブロックの「一致団結しない」会社の組織づくりとは – THINK ABOUT – 知見にふれる、未来がひらく」から少し引用します。

これからの世の中は、誰もが自律的にキャリア形成をしていく必要があり、そのために会社はその支援機関(=学校)であるべきだと思っています。「会社」「社会」「個人」。この3つを良くしていくのが会社の理想の姿ですが、私たちは圧倒的に「個人」にフォーカスしています。
これは「会社」と「社会」を下に見ているのではなく、「個人」が幸せになれば「会社」も良くなり、「社会」も良くなると考えているから。もし「会社」と「社会」が幸せでも、「個人」が幸せじゃければ意味がないのではないでしょうか。

この部分を読んでさらに自律分散型組織DAOの考え方やギルド型組織と輪郭が近い気がしました。DAOの解説は伊藤穰一さんのweb3とは | DAOがなぜ注目されているのか?をどうぞ。

どういう人がアソブロックに向いているのか?

本を読んでいる途中で感じたのは「どういう人がアソブロックに向いているんだろう?」ということ。

128ページを引用すると、幹となるミッションは、

1 事業の下に人がいるのではなく、人の下に事業がある
2 自分の仕事は自分で決める
3 自分の仕事価値を値付けする

とあるので、新卒よりも、

・フリーランスの経験がある人
・事業をまわした経験がある人
・経営者

が向いているのでは?と思いました。というのもこの本の多くの登場人物がアソブロックでの仕事を反省していて、「自分のやりたい仕事で稼ぐ」経験がない人にはしんどいけれど、その部分をうまくできるタイプの人には生き生き働ける仕組みなのではないかと考えました。そんな単純なことではないだろうけど、在籍期間が長い人とそうでない人の書いている内容を読むとそう感じます。

携帯の端末とOSの関係のように、会社と人との双方の能力がフィットしたら、働きやすそうな職場だと感じました。

「一致団結しない」なら組織の利点はどこにある?

「どういう人がアソブロックに向いているのか?」を書いていてひとつだけひっかかったのは、どなたかの書き出しにあった、一致団結しないがスローガンという部分。

ルパン三世のように狙っているお宝にあわせてその都度チームを編成して、メンバー同士が得意なことを担当するのかと思っていたら一致団結しないってどういうこと? 検索してみるとこちらの2013年の記事「ヨノナカ編集者 / 日本仕事百貨」にも登場するフレーズでした。

ひとりひとりが自分の名前で仕事できるように、団結しないで自由にやろう、という考え方ですね。団結していたら、役割分担するから仕事が細分化されてしまうじゃないですか。チームワークに頼りすぎてはいけないという意味も込めています。

この部分が核心かも。

アソブロックとは何だったのか

2013年には早すぎた仕組みだけど、今のテレワークや兼業が普通になりつつある社会にはフィットする仕組みなのでは、と改めて思いました。

あ、ダメだ。良く書いて締めようとしてしまっている。これは団さんが嫌がるやつだ。

自分が編集できるならこうしたいです。

・タイトルが過去形で、もうなくなった会社っぽく感じるので変更したい。団遊をタイトルの中に盛り込みたい。
・在籍期間を年表にした目次にしたい。難しそうであれば目次に見出しを入れたい。
・●●●●の証言に後にその人物のプロフィールを入れたい。
・社員だけでなく、発注元や外部フリーランスの協力者にも話を聞きたい。

あとぜんぜん関係ないですが、アソブロックのFacebookページのヘッダー写真いいなあ〜。特にこれ。この「いいなあ〜」という感覚が読後感とまったく同じでした。テレ東「ガイアの夜明け」などの番組で【会社を継承する!】みたいなテーマでご本人に出演してほしいなあ。

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