夕方の予定がなくなったので、梅田の映画館ブルク7で「タクシー運転手 約束は海を越えて」を見てきました。映画のネタバレはないのでご安心ください。
1980年5月
1980年5月。5歳の僕はタイムボカンシリーズ「オタスケマン」を見たり、ルービックキューブで遊んでいた時期ですが、同時期の韓国は軍事政権下で、学生によるデモ運動と政府との間で光州事件が勃発していました。まさにその瞬間を描いた映画です。
なぜ光州なのか
光州の場所はこちらです。
\本日4月19日は #地図の日🗺️/
タクシー運転手マンソプ(#ソン・ガンホ)はドイツ人記者を乗せて光州へ向かいますが、ソウルから光州は直線距離にして約270km、高速鉄道で約2時間、長距離バスで約4時間かかります。そして、現在のタクシー代は片道約25.5万ウォン(ポータルサイトマップで計算)でした🚕 pic.twitter.com/5VS1rzrL9O— 映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』 (@taxidriver0421) 2018年4月19日
光州事件とは何か
光州事件は、1980年5月18日から27日にかけて大韓民国(韓国)の全羅南道の道庁所在地であった光州市を中心として起きた民衆の蜂起。5月17日の全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕を契機に、5月18日にクーデタに抗議する学生デモが起きたが、戒厳軍の暴行が激しかったことに怒った市民も参加した。デモ参加者は約20万人にまで増え、木浦をはじめ全羅南道一帯に拡がり、市民軍は武器庫を襲うと銃撃戦の末に全羅南道道庁を占領したが、5月27日に大韓民国政府によって鎮圧された。
金大中は全羅南道の出身で、光州では人気があり、彼の逮捕が事件発生の大きな原因となっている。
5·18기념재단(5·18記念財団)のページがこちら。
こちらの映像資料のページを見ると当時の様子がよくわかります。映画を見てから見ることをオススメします。
映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」
公式サイトはこちらです。
ストーリー
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。
映画の半分ぐらいはタクシーの中
\公開まであと6日🚕💨/
ソン・ガンホ演じるソウルのタクシー運転手マンソプが乗るタクシーは起亜自動車の1973年式ブリサ。角張っておらず丸みを帯びたフォルムがマンソプのイメージと一致したとの事。また、ボディの緑色はスクリーンに溶け込み、観客が長く見ても疲れないことから選ばれたそうです💡 pic.twitter.com/dLbvHRO7co— 映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』 (@taxidriver0421) 2018年4月15日
こちらはメイキング映像つきの動画です。
こちらは日本語字幕が入ったメイキング映像です。
気のいいタクシー運転手のおじさんが主人公です。演じるのはソン・ガンホさん。TBSラジオたまむすびで町山智浩さんが話しているのを聞いて見たくなったのですが、本当に良い作品でした。
このタクシー運転手の乗客となり、光州に向かったドイツ人ジャーナリストJürgen Hinzpeter(ユルゲン・ヒンツペーター)さんは実在の人物です。
ドイツ人ジャーナリストJürgen Hinzpeter(ユルゲン・ヒンツペーター)
グーグル翻訳さまの力を借りますと、
Hinzpeter filmte 1980 als einziger Journalist das Militärmassaker in Gwangju. Seine Aufnahmen gelangten über Umwege nach Deutschland und wurden weltweit gesendet.
1980年の光州事件を撮影したのは彼一人で、世界中のメディアに公開し、
Er hat den Demokratisierungsprozess in Südkorea gefördert.
韓国の民主化を促した、とあります。
その資料映像がこちら。
お名前で検索すると過去映像が出てきます。
こちらは韓国発の英語圏向けの番組ですかね。
こちらは韓国MBCのドキュメンタリー番組。
こちらは全南日報。
こちらは1980年のNHK。
これら過去映像の多くがJürgen Hinzpeterさんが命がけで撮影したもので、当時の韓国国内メディアでは、検閲がかかり、住民は真実を知らされていなかったようです。
386世代
この映画を見て、以前こちらの記事で書いた
386世代が頭の中でつながりました。
映画鑑賞後の気になるニュース
韓国ドキュメンタリー映画「パーティー51」
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