4/3に奈良県大和郡山市の金魚電話ボックスが撤去されるというニュースをテレビで拝見しました。
こちらは2016年11月16日に大和郡山市をまち歩きした際に撮影したものです。
K COFFEEさんの前にある電話ボックスの中で、金魚が優雅に泳いでいました。観光客の方たちもちらほら見学に来られていました。
金魚電話ボックス撤去の時系列
以下、ニュースサイトを時系列で並べてみました。
4/3 金魚電話ボックス、著作権トラブル
4/4 関わった京都造形芸術大学のコメント
4/6 金魚電話ボックス、撤去前に訪問者が続々
4/10 「金魚電話ボックス」残して、存続へ署名活動も
山本さんは「著作権を認め、電話機の色をグレーから作品と同じ緑に取り換えること」を条件に共同設置を提案したが、商店街側は拒否。9日には、撤去を伝える貼り紙を出した。
同商店街協同組合の伊藤聡夫理事長(62)は「夜間に訪れる観光客の騒音や違法駐車など、近隣住民に迷惑をかけている状況も考慮した。じくじたる思いだが、未来に向けて歩みたい」とし、撤去後は新たな水槽の設置を検討しているという。
4/11 専門家は「侵害にはならない」という見解
著作権問題詳しい井奈波朋子弁護士 「美術作品の著作権についてですが、コンセプチュアル・アートにおいても、結果として造形された作品は、著作権法において保護されます。しかし、そのアイデアやコンセプトは著作権法により保護されません。美術だけでなく、文学・音楽その他著作権法で保護される著作物は、具体的表現である必要があります」
「著作権法では、アイデアは独占されないというのが原則ですので、今回のような件で著作権侵害を認めてしまえば、アイデアの独占を認めることになり、当然、表現の自由を制約することになります。なお、著作権侵害とならないものを著作権侵害であると公言することは、却って名誉毀損となる可能性もありますので、注意が必要です」
4/13 柳町商店街協同組合 撤去
なるほどです。弁護士ドットコムの記事がわかりやすいですね。アイデアが独占されない理由がよくわかりました。
海外の電話ボックス型水槽
ちなみにインターネットで調べてみると、電話ボックス型の水槽はほかの国にもあるようです。
ソウル Coex Aquarium
ロンドン Lumiere London 2016
まとめ
まだ続きがあるかもしれませんが、いったんまとめます。
もし金魚電話ボックスが撤去されてなくなったとしても、じっくりと涵養されてきたまちの魅力はなくならず、むしろこのニュースで見える化されて、逆に住民の方やまちを気に入っている人たちの強度が高い場となったと感じました。
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続き
原作者だと主張する男性が「商店街側はいまだに著作権侵害を認めていない」として、著作物使用料など330万円あまりの支払いを求める裁判を起こしました。