かつて梅田の喫茶田園で専属デュオとしてラテン音楽を演奏されていたギタリスト兼歌手! 中野勝城さんにお話をお聞きしました。

大阪市

大阪市北区神山町の雑居ビルの一室にスペイン居酒屋グラナダがあります。店主の中野勝城さんは”新国劇”出身であり、かつては梅田の喫茶田園で専属デュオとしてラテン音楽を演奏されていたそうです。50年前にご自身が出されたレコードと一緒に撮影させていただき、少しインタビューさせていただきました。

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昭和30年当時は広告代理店の営業マンとして働いていたという中野さん。同期入社の友だちがラテン音楽をやっていた。仕事終わりに二人で音楽活動をして、梅田花月で開催されていた毎日放送のアマチュアが参加できる番組「素人名人会」などにも出演していた。

「営業の仕事をしていたので、どこか売り込もうか、と言って喫茶田園にも行きました。お店ではタンゴとかハワイアンが流行っていましてね。宮城さんという支配人の方がいらっしゃってオーディションしてくださりました。メキシコオリンピックが近づいてきたためか、ラテンブームが起きていました」。

そしてトリオ・ロス・パンチョスという3人組のベサメムーチョという曲(youtube)などを演奏することになったという。

トリオ・ロス・パンチョス ベスト ベサメ・ムーチョ ある恋の物語 キエン・セラ シエリト・リンド キサス・キサス・キサス 情熱の花 ラ・マラゲーニャ ソラメンテ・ウナ・ベス シボネイ ククルクク・パロマ ラ・バンバ アモール キエレメ・ムーチョ エストレリータ グリーン・アイズ アドロ DQCP-1509
Besame Mucho by Trio Los Panchos

同時期に北新地にあったメキシコ料理屋のエルパソという店でも演奏していた。その頃の中野さんは朝から就業時間まで広告代理店で働き、仕事場の尼崎から梅田まで出て19時からの田園のステージに立ち、21時からのエルパソのステージにも立って演奏していた。

「まあ若かったからできたんでしょうね(笑)。僕の印象では昭和30年代までは国別の音楽が入ってきたという印象ですね。例えばイタリアのカンツォーネとかフランスのシャンソンとか。一番強いのはやっぱり英語圏の歌でアメリカンポップス。といっても当時は日本語に訳して唄われていました」。

喫茶田園のステージには、ベンチャーズ作曲演奏の「京都の恋」を日本語の歌詞で唄って大ブレイクした渚ゆう子さんもおられた。まだまだ全国的に知られていない頃だった。

京都の恋

話を中野さんに戻すと。朝からモーレツ社員として働いた給料と、その仕事終わりでステージに立った給料はほぼ同額だったという。それほど梅田のオオバコ喫茶店がたくさんの人が訪れる場所だったのだと再確認できた。

ギター生演奏の店・スペイン風居酒屋 グラナダ
大阪市北区神山町8-14
日宝東阪急レジャービル4F
http://granada.bopoji.com/

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