学芸出版社で開催されたトークイベント「がくげいラボ」のvol.4「CREATIVE LOCALなライプツィヒで今起こっていること」に参加し、ライプツィヒ「日本の家」の話を聞いてきました。
「日本の家」は去年の年末に岩切さんから聞いて気になっていた場所です。スピーカーはドイツ・ライプツィヒ在住の研究者、大谷悠さんで、フリースペース「日本の家」の共同代表をされています。
大谷悠さんは学芸出版社のこちらの著書を執筆されています。
日本の家とは?
日本の家のコンセプトはホームページに掲載されています。
ライプツィヒ「日本の家」は、空き家を「日本」というテーマを用いて人々が集いアイディアや物が生み出されるクリエイティブな「家」として再生することを目標としたプロジェクトです。2011年夏にドイツの地方都市ライプツィヒの衰退地域の一角にある空き家をセルフリノベーションすることで立ち上げられました。
イベント中に映像を見せていただきました。
映像では楽しそうですが、お金を盗まれるなどダークな部分もあるようです。ただ、世界の面白さが広がるところに魅力を感じるのだとか。
動画の内容はこちらの記事にも記載されていますね。
ライプツィヒってどんなまち?
ライプツィヒは旧東ドイツ第二の都市。金沢市と同じくらいの56万人都市で、1989年10月09日民主化運動に成功した英雄都市と呼ばれているそうです。また、縮小都市の側面があり、空き家率が高いのだとか。
空き家再生のライプツィヒモデル、ハウスハルテン
大谷さんたちは当初、日本の家をはじめるために、空き家再生のライプツィヒモデル、ハウスハルテンを利用して、月3万円程度で120平米の建物を借りたそうです。
ハウスハルテンの最大の特徴は、通常のリノベーションに対する助成とは異なり、所有者が自己資金を投入する必要がなく、誰かに空間を使ってもらうことで空間を保全するという「使用による保全」をコンセプトとしている事である。
ハウスハルテンは市民団体で、工具や工事のサポートまでしてくださったのだとか。
手厚いサポートの背景には、100年前からあるような歴史的な建物を守りたいという市民の思いがあるようです。市内に17棟ぐらいハウスハルテンが関わっているそうです。
参照記事
Frei Räume
都市課題の最初のプラットフォームはFrei Räume=Free Spaceという言葉が印象的でした。
「日本の家」は負に捉えられがちな対象である「空き家及び廃墟」を、自由に使える空間として視座を変え、自分たち自身で手を入れることで都市の<間>に自由な「場」を作りあげました。
ライプツィヒをはじめ、経済停滞や人口流出が起きた地域には、衰退の象徴である空き家や廃墟がまだ多く存在しています。
このあたりまだ頭の中で整理できていませんが、忘れぬうちにメモだけ残しておこうと思います。
・ライプツィヒは若者と移民が集まってくる場所。ドイツで最悪の通りだとも言われている。でも住んでみたらそうでもない。
・根っこにあるのはワクワク感。主語は日本の家? ライプツィヒの行政? どっちか忘れました。
小さい民主主義
お客様からの質問で気になった、オボロげな記憶メモ。
1982年。ニコライ教会。活動。市民運動。もともと小さな民主化運動が上手な人たちが、現在のハウスハルテンの中心人物。市役所へのロビイング活動もうまい。いま50代ぐらい。動けばまちを変えられることを知っている人たち。彼らは大谷さんのような外国人の若者のアイデアを受け入れる器がある。
あれ? こういうストーリー、どっかでも聞いたことあるぞ、と思ったら以前書いたこちらでした。
ソンミサン・マウルとはソウル市内25区のひとつ、麻浦区の城山洞にある小山を中心とした地域のこと。1994年に子育て世代となった25世帯の386世代(1980年代に学生運動に参加した人たちを指す)が、ともに子育てするために集団移住した背景があります。
「小さな民主化運動を経験している大人たちがいるまち」というのがCREATIVE LOCALな土壌に必要なキーワードのような気がしてきました。