のせでんアートライン妙見の森2015を一緒に盛り上げる「アートクルー(ボランティアスタッフ)」の第2回交流会が9月6日(日)に開催されました。
2013年に能勢電鉄開業100周年を記念して開催した《のせでんアートライン妙見の森2013》。《のせでんアートライン妙見の森2015》は、能勢電鉄だけでなく、兵庫県、大阪府並びに川 西市、猪名川町、豊能町、能勢町の一市三町、地域住民、団体が一体となり、府県の境を越えて開催するアートイベントです。
というものです。
のせでんアートラインのfacebookページに記載されている情報を見て、何をお話したか下敷きにしながら書き留めています。
あいにくの雨のなか、高校生・大学生から最年長は75歳、遠くは加古川からと、幅広い方が集まっていました。
場所は、アートライン期間中にも会場の一つとなる川西市の勝福寺さんです。住職の後藤善史さんは地域活動に積極的に取り組まれ、チャリティーコンサートなどさまざまなイベントをお寺で開催しておられます。
まずは、みんなで円座になって自己紹介。お互いの名前を呼び合いながらボールを投げるゲームで少しずつ緊張がほぐれていきます。名前を呼ばれた方はどんどん座っていきます。
後半は「アートクルー自身がアートラインを思いきり楽しもう!」という視点で、お話させていただきました。
まずは能勢電鉄沿線の地図を広げて、グループを6〜7つほどつくり、みんなの「お気に入りの場所」「気になっている場所」の情報をおしゃべりしていきました。
ここがポイント!
Googleマップを切り貼りして、つくっていただきました。この範囲は能勢電鉄沿線にこだわりました。まちが用意するものはどうしても市単位で区切られていますが、沿線に住む生活者や通勤通学で沿線を利用する人は頭の中で市で区切ったりすることはないからです。
また、定期をもっている人が普段通過するだけの場所も降りて歩いてみようかと思うよう誘発しました。
使用したスライドの一部
また、来場者にカメラ(携帯電話)を手渡されてカメラマン役を頼まれるという想定で、お互いのカメラで楽しいポーズを考えながら撮影大会。
最後はみんなで一緒に、本堂の仏様の前で集合写真を撮りました。みなさん本当にありがとうございました!
もう少し地図を活用する利点をそれぞれの立場で書き留めておきます。
参加する人の立場で考える
知らない人と話すときに、はやく打ち解けるためには互いの共通点を知ることが必要です。共通点を知るためにはコミュニケーション能力が必要ですが、地図があれば1枚の紙の中に位置情報が含まれているので、たやすく互いの共通点が探せるため、打ち解けるまでの時間がはやいです。
主催する立場で考える
1枚の地図の範囲をセグメントすることができます。また、地図に付箋をつかって情報を追加していけば、どの情報が少ないかすぐにわかるし、どのテーブルに情報が集まっているのか、進行状況も把握することが簡単です。
話題を提供する自分の立場で考える
そもそも狩野はまちの奥行きを立体的に知ることが好きです。まちのことを知りたいので知るための手がかりとして地図があれば瞬時に情報を把握することができます。
また、地図が好きで史学地理学科出身というのもあり、まちのことを知らなくても駅や市役所、川の位置、大通りの位置からまちの発展のストーリーを推理することができ、その推理があっているかどうかも参加された方に聴くことによってすぐに答えがわかります。
答えを教えたほうも気持ちいいし、聞いている人もどんな流れで推理しているのかを聴くことが、情報誌にありがちな、お店情報的な点や線の話に終始することなく、まちの文脈やまちの奥行きを立体的に知る手がかりとなります。
それはNHKで放送されている「ブラタモリ」のタモリさんが勝手に推測していくのを視聴者がいっしょにワクワクしながら見るのと同じ演出方法です。タモリさんは集合場所しか聞かされておらず、毎回どこへ行くのか事前に知らされていません。
たまに主催の方からなぜこんなに盛り上がるのか、と聞かれるのでなんとなく答えていましたが、それぞれの立場に立って分析するとこんなふうに、三方よし!な企画だからだと思います。