Twitterのハッシュタグ #世界一のクリスマスツリー を閲覧すれば今何が問題になっているのかがなんとなくわかります。少しつぶやきを紹介してみましょう。
ネットで話題の神戸港巨大ツリー 催事後伐採「生田神社鳥居に」 https://t.co/5IyNX7l2kj #巨大ツリー pic.twitter.com/k32tKiojay
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) November 30, 2017
「世間に謝っているわけではない。ツリーを見るのが嫌な人は見なければいい」
このコメントを拾った神戸新聞、明らかに怒ってるな https://t.co/wzJ8fwIxQp— naddist (@naddist_eken) December 1, 2017
しかしこれ、一応会社の社長で主催者がオフィシャルとうたってるアカで言っちゃうって、誰か止めてあげなさいよ。神戸の方々に完全に喧嘩売ってるじゃないですか。もう鎮魂とかふっ飛んじゃってますね。 #世界一のクリスマスツリー https://t.co/yNFfx1QSCM
— エージェントトンキチオール (@tonkichi22) December 13, 2017
みなさんが静かに怒っています。
ではなぜ「世界一のクリスマスツリー」は失敗したのか、情報発信の専門家(の端くれ)の立場で紐解いてみます。いま情熱大陸を見ながらいきおいで書いています。
心に届く情報とは真逆の情報発信をしてしまった。
このプロジェクトは「新しいショッピングセンターができましたよ」といったシンプルな情報発信ではなく、公式サイト「めざせ!世界一のクリスマスツリー」の文言によれば、
阪神・淡路大震災の鎮魂の想いから始まり、毎年300万人以上が来場する神戸ルミナリエと同時期に開催することで、復興した都市として、神戸から東日本大震災や熊本地震などの被災地への鎮魂、そして復興と再生の象徴として、日本中のみならず世界中へ、未来に向けた希望のメッセージを送ります。
という地元の方の気持ちに寄り添って心に届ける必要があるプロジェクトです。少なくとも自分と関係があると思ってもらう必要があります。
しかし、こんな発言をしてしまうことで前述で紹介したように、地元の神戸新聞さえも怒らせてしまいます。
地元の方の神経を逆撫でしたことで、このプロジェクトのおかしい部分がネット上で次々露見していくわけですが、それは #世界一のクリスマスツリー を少し覗くだけで見えてくると思います。
「会場の設営は安全なの?」と心配になる情報を広げてしまった。
神戸港巨大ツリー 落下したオーナメント、再交付します:https://t.co/u1gjqcZvM2 pic.twitter.com/daKSZ2q3cF
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) December 9, 2017
決して安全とは言えない情報が浮き彫りになってきます。いま12/17放送の情熱大陸でこちらの発言が…。
「リスクの想像ができていなかった」
「警察協議を考えなあかん」
最初に考えなあかんことでしょ…。
そもそもホームページの情報がわかりづらい。
ホームページのソースにあるdescriptionには
と記載されています。鎮魂がメインなのかと思えば大きな木を運ぶことがメインのようです。
公式ページに紐づくSNSは総合プロデューサーが経営する会社のSNSに紐付いています。ん? ではこのTwitterアカウント「めざせ!世界一のクリスマスツリーPROJECT」はどこが発信しているの? このプロジェクトの事務局? むしろ公式ページに紐づけるべきはこっちでは? と何か目的がぐちゃっとしています。
最後に
3つ並列に並べてしまいましたが、最初の地元民を逆撫でする情報発信がプロジェクトの骨格にあたるストーリーの部分をこわしてしまったのであやふやになってしまったのだと思います。ネットではこのコンテンツが問題視されていますが、コンテンツとコミュニティ=地元神戸の方を結ぶ、神戸市も問題だったと思います。
被災した地元の方の気持ちに寄り添う力は日本一もっているはずの神戸市。もしデザイン都市・神戸を謳う神戸市がコミュニケーションのデザインを考えていたら、このプロジェクトにたやすくOKしなかったのではないでしょうか。