『恋はあまりにも残酷だった。
昭和を代表する青春小説!』
神山町のバー「グラナダ」を経営する中野さんに教えていただき、宮本輝さんの小説「青が散る」上下巻を読みました。
>中野さんのインタビューはこちら。
かつて梅田の喫茶田園で専属デュオとしてラテン音楽を演奏されていたギタリスト兼歌手! 中野勝城さんにお話をお聞きしました。
「オリンポスの果実」のような甘酸っぱい、スポーツと恋の青春小説かと思いきや、途中からだんだん残酷になっていきます…。中身はネタバレになるので書きませんが、小説の舞台に昭和40年前半ごろの阪急東通商店街(現在取材中の北野エリア)が頻繁に登場します。
主人公は大学生で、自宅はどうやら靭公園あたりのようです。そこから梅田まで出て、阪急に乗って宮本輝さんが通っておられた追手門学院大学がモデルの大学に通っています。そして部活の仲間と電車に乗って、梅田で乗り換えてみんなとお茶してから帰るのが日課となっているため、阪急梅田駅(当時は現在の阪急百貨店の一階にあった)から近い阪急東通商店街が結構な頻度で登場します。
気になったのは、大学生の主人公がやたらと喫茶店に行くことです。その使い方を列挙してみました。
・待合せに使う。
・ひまつぶしに使う。
・勉強のために使う。
・晩ご飯を食べに行く前に立ち寄る。
・友人の音楽ライブ(ライブ会場が喫茶店)に行く。
なんだか多様な使い方なのです。携帯電話もコンビニもない時代。このいろいろを解消する受け皿として喫茶店が存在したことが伺い知れます。特にお金があるわけではなく、部活仲間のお金持ちにおごってもらったりしています。
今回の誌面をデザインしていただいているバードデザインハウスで働くKさんも、高校時代の部活帰りに寄っていたとおっしゃっていました。今でいう、マクドに100円のコーヒーを飲みに行くようなものなのでしょうか?