内閣官房IT室がまとめた、災害対応におけるSNS活用方法がこちらにあり、少し補足やメモを付け足してみました。どなたかの参考になれば幸いです。
災害対応におけるSNS活用ガイドブック
災害対応におけるSNS活用ガイドブック
平成29年3月内閣官房 情報通信技術 総合戦略室
20170314SNSガイドブック.docx
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/pdf/h2903guidebook.pdf
ガイドブックの調査内容
これは平成28年5月1日から7月26日にかけて、全国地方公共団体のうち 市区町村1,741団体が公開するwebサイトを閲覧するとともに、必要に応じ電話、電子メールまたは訪問による聞き取り調査したものだといいます。
調査内容は、各地方公共団体が公開する公式SNSアカウントの有無、当該アカウントにおける災害対応としての活用の有無などを確認したのだとか。簡単に書いてあるけれどめっちゃたいへんな作業です。
調査対象のSNSは、Twitter、Facebook、LINE、Google +及び地域 SNS。
以下、気になったところをかいつまんで紹介します。
平成28年4月に発生した熊本地震での活用事例
・熊本市長によるTwitter発信事例
・Facebookの公式アカウント/英語での情報発信事例
地方公共団体担当者による考察
地方公共団体担当者による考察の項目がいちばん興味深い内容でした。
→市民がとるべく具体的な行動などを示した情報発信をしてほしい
・テレビやラジオでの災害速報の伝え方もこのようになっていますね。
→ホームページへの誘導手段となっているものの携帯端末で閲覧するには適していないデザイン
・レスポンシブデザイン必須ということですね。
貼り紙情報の画像発信事例
SNS を活用した情報収集 検索用語集
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/pdf/kensakuyougosyu.pdf
「これは便利!」と思ったものの、普段からSNSに慣れ親しんでいる人が使用しないと難しいという印象を感じました。2009年5月からTwitterを活用している狩野自身が、有事でこれをうまく使えるかどうかは疑わしいです。
SNSダッシュボードを使う
SNSダッシュボードを活用する。検索用途はこのふたつ。
多くの用語を用いて広い分野でチェックしたい場合
被災の拡がりを投稿数の変化から把握したい場合
TOPSY…サービスが終了したようです。
さがすコツ
自然現象、感情、被害、場所などの組み合わせで検索する。以下、具体例。
自然現象
雨、地震
災害
土砂崩れ、洪水
被害
停電、渋滞
感情
やばい、こわい
官民が提供する情報収集・分析ツール「対災害SNS情報分析システム(DISAANA)」
DISAANA
災害に関する問題、トラブルをTwitterの投稿から自動的に抽出し、リスト形式または地図形式で表示するもの。
D-SUMM
被災報告を要約しコンパクトに表現することで被災状況をわかりやすくするシステム。
川の防災情報
SNS対応のための運営体制の工夫
以下、先進的なSNS活用事例。
庁内各課で掲載情報を作成し一元的に広報部署もしくは防災部署で発信
京都府京田辺市、山口県山陽小野田市
防災部門と広報部門(又は SNS 担当)とを同じ部署または同じフロアに配置、災害対策本部に情報広報部門が参加等
兵庫県太子町、高知県大豊町、大分県大分市、大分県日 田市、宮崎県川南町
情報センターを設置し情報の一元化
秋田県横手市
情報発信の工夫
可能な限り多くの市民に伝達するためには、なるべく多くの通信・広報 媒体を活用することが効果的です。このため、防災無線、公式ホームペー ジ、緊急速報メール等との連動や地域の FM 局との連携を図ることで、手 間をかけずに媒体を増やすことが可能です。
防災無線、公式ホームページ、緊急速報メール等との連動等
北海道小樽市、青森県八戸市、青森県むつ市、青森県 平川市、岩手県奥州市、山形県長井市、新潟県新潟 市、富山県南砺市、静岡県川根本町、京都府宇治市、 兵庫県西宮市、鳥取県倉吉市、山口県萩市、熊本県熊 本市、熊本県宇土市、鹿児島県知名町
トップページを災害時に限り緊急情報を発信していることが容易に視認
岩手県一関市、愛媛県西条市、大分県日田市
平常時から防災や安全安心に関する情報を発信
秋田県大館市、新潟県燕市
情報収集の工夫
以下、自分用のメモ。
高山市防災情報掲示板
かすみがうら市災害用ハッシュタグ「#かすみがうら市災害」
まとめ
市役所で広報を担当している友だちにこのガイドブックについて聞いたところ、このガイドブックの存在自体を知らなかったことが気になりました。
そしてこのガイドブックはSNSを使いこなしていなければ使いこなすのは難しいことも感じました。