発信側と受信側の間に入って翻訳する人が必要な世界をいかに上手に見せるかで、市場が大きく変わります。
情報の非対称性が大きい世界とは?
「情報の非対称性」とは経済学の用語から引っ張ってきています。
CUCマガジン:ニュースを読み解く「商経学部に聞いてみよう」 > トピック 2013年度 > 食品の偽装と情報の非対称性|千葉商科大学
例えば、お店にグレープフルーツが売ってあったとしましょう。このグレープフルーツ、一瞥しただけでは鮮度がいいのか、悪いのか、農薬の濃度、甘いのか酸っぱいのか分かりませんよね。でも、売り手は、グレープフルーツを仕入れているのですから、鮮度などを、買い手よりも熟知していることでしょう。このように、グレープフルーツという食材について、売り手と買い手とでは、知っている情報に差がある可能性があります。
情報の非対称性が起きやすい市場、起こりにくい市場
身近なスポーツの世界で情報の非対称性が起きやすい世界を解説します。
余談ですが、IT社長からJリーグ栃木SCのマーケティング戦略部長になったえとみほさんも、ご自身のnoteでこんなことを書いておられます。
もう1つ私がこの業界に入って思ったのは、業界内部と外部の情報の非対称性が激しいということだ。入って初めてわかることがあまりにも多く(ググっても出てこないような話が多く)、いかにプロスポーツ業界が限られた少数で構成された閉鎖空間であるかを実感できた。
クラブからの公式リリースだけでは、サポーターが本当に知りたいことは到底知ることができないのだ。また、メディアが伝えることはピッチ内に関わることがほとんどで、事業そのものや運営に関する情報はとても少ない。
これは文化芸術の世界でも同じことが言えます。
見ていればだいたいルールがわかるものは情報の非対称性が起こりにくい
SAMURAI BLUE1-1でイラク代表と引き分ける #jfa #daihyo https://t.co/cqABtz47uL pic.twitter.com/lvHWsZZR7n
— サッカー日本代表 (@jfa_samuraiblue) June 13, 2017
サッカー、野球、相撲など、審判の判定を待たなくても見ているうちにだいたいわかってきますね。
解説がないと優劣がわからないものは情報の非対称性が起こりやすい
ショートプログラムから首位を守り抜き、男女通じて初となる、グランプリファイナル4連覇を達成した #羽生結弦 。困難を乗り越えて掴んだ快挙の裏にある思いとは。表彰式の様子と合わせてご覧ください!#グランプリファイナル #GPF pic.twitter.com/TAPNtayQ10
— テレビ朝日 フィギュアスケート (@figureskate5ch) December 11, 2016
フィギュアスケート、ラグビー、アメフト、空手、など、審判の判定や専門家の解説がないとわかりにくいです。
そのため、テレビは実況する人と解説者をわけています。今起きていることのすごさを伝える際には、解説者が実況することでその世界の奥行きを伝えています。
みなさん、こんばんは!
今夜の「やべっちF.C.」はイングランド
プレミアリーグで奇跡の優勝なるか!?
レスター岡崎慎司選手の超速報をお届け!
さらに、香川選手は2試合連続ゴール!
長谷部選手は今季初、3年ぶりのゴール!
→続く pic.twitter.com/8wzKGepMwz— テレビ朝日やべっちF.C. (@yabecchifc_5ch) May 1, 2016
発信側と受信側の間に入って翻訳する人が必要な世界をいかに上手に見せるかで、市場が大きく変わります。
文化芸術の分野など、情報の非対称性が起きやすい世界のなので、大阪アーツカウンシルのインタビューやトークの場でも似たような話がよく出てきます。
シンポジウム「人を魅了するプロデュースとは何か?」 | 大阪アーツカウンシル
お客さん側がその表現のすごさをわかる状態がすごく大事です。演劇の世界で見巧者(みごうしゃ)という言葉があります。見巧者が客席に集まっていれば舞台上のすごさを読み取れます。この状態になると物事が広がりやすいです。漫才に関して言えば「今の話のオチは?」と普通の人が言うぐらいリララシーが高いですね。
舞台の上で起こっている演者たちの世界と、それを見るお客さんがどれぐらいついてきているかを見定めて調整する、翻訳する役目の人(プロデュースやディレクションする人)がいないと、その分野の市場がどんどん狭くなります。
だからテレビなどでは翻訳できる人や翻訳できる番組が重宝されます。
テレビで翻訳する人
【いま知りたい日米経済問題】
あす3月19日(日)午後4時「日曜夕方の池上ワールド」放送!🇯🇵🇺🇸日米貿易摩擦や為替の歴史について池上流に解説します。…って、予告VTRでゲストの皆さん、テーマそっちのけで何かに夢中😆池上さんの秘蔵写真📸が明らかに!?#池上彰 pic.twitter.com/vvkppzD8ux— 池上彰の報道特番 (@TVTOKYO_senkyo) March 18, 2017
池上彰さん、林修先生など、テレビ番組では引っ張りだこです。
わかりづらい情報を翻訳して見せているテレビ番組
報道ステーション
【報道ステーションがぐっと近づきます】きょうから4月11日の放送開始まで10日間。誰かに話したくなる豆知識や、松岡修造さんたちからの熱いメッセージなど
きょう知りたい情報を発信していきます。次の更新は午後3時頃予定#報ST pic.twitter.com/XYMBLqMkV6— 報道ステーション (@hst_tvasahi) April 1, 2016
ブラタモリ
(ブラタモリ、さいたま・大宮へ!) 7月1日 (土) 19時30分~20時15分に放送予定の「ブラタモリ」で、大宮が特集されます。大宮の意外な真実を、タモリさんがブラブラ歩いてひも解きます。お楽しみに! 詳しくは、リンク先へ。https://t.co/Mrpjt2w6So pic.twitter.com/aFVRZAM11x
— さいたま市広報課 (@SaitamaCityPR) June 19, 2017
翻訳しないと狭まる世界
閉鎖的な世界の外側にいる人に耳を傾けたい。
あまり小劇場を見ない友人から「小劇団見てって誘われても、ポスターのあらすじも作者のおもんないポエムみたいなん多いしポスターも抽象的で、全く訳分からんのに短くない時間も安くないお金もはたいて気軽に見に行けん、皆なんであんな分かりづらくするん?決まり?」って言われてぐぬぬってなった
— は な ざ わ (@greco0618) 2018年2月1日
翻訳することで新しいファンを獲得し、楽しみ方を伝える。
世界が狭くなりがちな分野では、パブリックリレーションに力を入れることが必須です。
相撲の世界を立体的に伝える、日本相撲協会のアカウント
<日本大相撲トーナメント>相撲の技や禁じ手をわかりやすく実演、初切は勝武士と高三郷。#sumo pic.twitter.com/xUOKhzXce4
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) February 5, 2017
ビジュアルでわかりやすく伝える
【4月1日〜 芸創・少し便利に】
FAXをお持ちでない方のために、練習室の申込書をメールでも送信できるようになりました(FAXと来館の手続きは従来と変更なし)
予約方法はコチラ>https://t.co/vGBOMYbvJkpic.twitter.com/p35D5o47ue— 大阪市立芸術創造館 (@geisou) 2017年6月20日
【ご存じですか?制作者BOX】夜区分(19時-22時半)が人気の演劇練習室。稽古序盤でMTや脚本読合せなど動きまわらない練習や個人練習であれば『制作者BOX』がオススメ!朝昼夕:300円、夜400円の破格の料金設定!(1部屋料金) pic.twitter.com/W0P8nKhTef
— 大阪市立芸術創造館 (@geisou) 2017年6月19日
日本のクラブチームの中でファン数が一桁多い、セレッソ大阪ソーシャルアカウントの取り組み
Happy birthday to Toshiyuki #Takagi who turns 27 today! #cerezo pic.twitter.com/bE1cEaQ9wq
— Cerezo Osaka (@crz_english) 2018年5月24日